動画マーケティングの重要性が日に日に増す昨今、これまでの「動画を再生させて終わり」から「動画を使ってユーザーとコミュニケーションをとる」ことへ時代がシフトしてきた。そんなトレンドに合わせ、ユーザーと相互に作用しあえるインタラクティブ動画が注目されている。 HTML5 プレーヤーの普及により、専門知識がなくても比較的容易にインタラクティブ性のある動画の制作が可能となり、今後ますます需要が増えていくことが予想される。 今回は、インタラクティブ動画の持つ特徴や有益性を探るため、動画配信分野で様々なクラウドサービスを提供するブライトコーブ社と、インタラクティブ動画の制作を容易にするアプリケーションを開発するHapYak社が共同開催した「インタラクティブ動画セミナー」の様子を届けていく。

注目が高まるインタラクティブ動画

インタラクティブ動画とは

◼︎相互に作用するユーザー参加型の動画

動画の一方通行的な配信でなく、ユーザーと相互に作用しあえる動画。
ユーザーは動画内に埋め込まれたボタンやフォームから、様々なアクションを行うことができ、結果Viewやコンバージョン率の向上を見込むことが可能となる。
YouTube における "カード" や "アノテーション" 機能が代表的。

セミナー概要

HapYak インタラクティブ動画セミナー
日時: 2016 年 10 月 24 日(月) 15:00〜17:00
場所: 紀尾井フォーラム

◼︎タイムテーブル

第1ターム:ブライトコーブ社
・デジタルマーケティング領域における動画活用のトレンド
・マーケティング オートメーションとの連携事例
・HTML5 プレーヤーがもたらすクリエイティブの拡張性

第2ターム:HapYak社
・会社紹介
・インタラクティブ動画とは?
・ブライトコーブとの連携事例紹介
・Q&A及びケーススタディ

◼︎スピーカー

KYLE MORTON
Founder
HapYak Interactive Video

北庄司 英雄
シニアセールスディレクター
ブライトコーブ株式会社

大野 耕平
Digital Marketing Territory Manager
ブライトコーブ株式会社

動画マーケティングはデータ活用と見せ方で決まる

デジタルマーケティング領域における動画活用のトレンド

第1タームでは、ブライトコーブ社のシニアセールスディレクター北庄司 英雄氏が登壇し、デジタルマーケティングの昨今のトレンドから、動画の見せ方やデータ活用のノウハウまで幅広く解説した。

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※ブライトコーブ株式会社 シニアセールスディレクター 北庄司 英雄氏

%e8%b3%87%e6%96%99%ef%bc%91 ※2016年のデジタルマーケティングにおけるトレンド

HTML5 プレーヤーの普及により自由な見せ方と徹底した検証が可能に

動画を配信して終わりの時代から、「どのような見せ方」で「どう活用するか」がより重要になっていることを踏まえ、北庄司氏はWeb設計における動画の活用法や配信後の検証についていくつかデータを取り上げながら言及した。

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ビデオポータルの有益性について、滞在時間や離脱率にダイレクトに影響を与える事例が紹介される。


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効果検証に関しては、動画の完全視聴率と再生率に特に注目すべきだと解説。
中でもサムネイルのデザインと動画再生視聴率の関係について、動画用にクリエイティブしたものと、動画の中から選択したものとの数値を比較したデータでは、動画の中からキャプチャしたものの方が高い効果が出たという興味深いデータが取り上げられていた。

動画マーケティングでは、配信後の検証結果を徹底活用することで、着実に成果を伸ばすことができる。単にViewを追いかけるだけでなく、「誰が」「どういう目的で」閲覧しているかなど、これまで以上に綿密なデータの検証が鍵になると北庄司氏は述べる。

冒頭で取り上げた、HTML5 プレーヤーの普及により、現在ではこうした徹底した検証も比較的容易に可能となるツールが提供されている。ブライトコーブ社は、動画専用のCMSをクラウドで提供しており、多くのクライアントがマーケティングに活用されているという。

動画配信におけるSNSとの向き合い方

第1タームの最後に、北庄司氏はSNSとの向き合い方についても触れた。
特に、Youtubeについて、積極的に活用すべきとしつつも、そのリスクについて以下のように言及している。

1. 著作権、所有権の問題
2. コントロールの難しさ
3. 視聴環境の担保
4. サポート体制

主に上記4つのリスクについて触れ、具体例としてYoutubeへの顧客流出のリスクを説明。
既存ユーザーの多さやシェアされやすい環境、無料などのメリットから、現状多くの企業が活用しているYoutube プレーヤーだが、必ずYoutubeへのリンクが入ることにより、離脱を促進する恐れがあるという。

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※Youtubeには、関連する多くの動画がレコメンドされているため、視聴者は別の動画を楽しみ、自社サイトに戻ってこない可能性がある。

SNSを活用する場合、どちらが主従かを明確にした設計と配信管理の強化も今後より重要になっていくことについて触れ、第1タームが締めくくられた。
第2タームではいよいよ、本題のインタラクティブ動画について、実際にどんなことができるのか解説されていく。

動画をWebのように機能させるインタラクティブ動画

第2タームでは、HapYak社の創業者KYLE MORTON氏が登壇し、インタラクティブ動画の持つ可能性について豊富な事例を軸に熱く語ってくれた。

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※HapYak Interactive Video Founder KYLE MORTON氏

MORTON氏は、インタラクティブ動画を、「動画をWebのように機能させる」コンテンツとして位置付けた。一方通行的体験だった従来の動画に、Webページのような双方向性を加えることで、動画を他のデジタル戦略の要素と同様、よりダイナミックに活用できるという。

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3種類に分類されるインタラクティブ動画

MORTON氏はインタラクティブ動画を大きく3種類に分類し、それぞれの特徴やメリットについて具体的に動画事例を交えながら解説した。

1.CTA(Calls to Action) & Shoppable Video
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動画に埋め込む形で関連するクリック項目を与えることで、視聴者を顧客へと変換する。
例えば商品紹介動画では、動画視聴中に動画から直接商品をカートに入れることができる遷移を設けるなど、販売までの工程を大幅短縮でき、コンバージョン率の向上が見込める設計となる。

http://brightcove.hapyak.com/detail/videos/ecommerce/video/4272769571001/apple-watch---thewatch-reimagined?autoStart=true
※動画0:04秒あたりで、左上にカートのアイコンがポップアップするのがわかる。

2.Chapters & Branching
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動画をチャプター毎に切り分け、視聴中自由に該当チャプターに遷移できる。これにより視聴者が最も見たい内容まで直接ナビゲートが可能に。 また、関連する内容を分岐させ、視聴者に見たい内容を選択させることもできるという。

 

"6 Minutes to Your First interactive Video"

※左上のアイコンより、チャプター再生が可能なことがわかる。

 

3.Questions & Surveys
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動画の再生中に、視聴者からリアルタイムに対話形式でフィードバックを受けることが可能となる。社員教育などのトレーニング動画に活用したり、クイズ形式で視聴者に没入感のある動画体験を与えるなど、様々な活用方が見込める。 それぞれのフィードバックなどは、ユーザー単位でデータとして蓄積し、マーケティングに役立てることができる。

"Get Smarter eLearniing"

※動画0:10秒あたりで、クイズ項目に答えるようになっていることがわかる。

 

360°動画とインタラクティブ動画の親和性

また、最近注目を浴びている360°動画について、インタラクティブ動画との親和性を、MORTON氏自らがユーザーとして実践する形で紹介していた。

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360°動画は、従来の動画では写すことができなかったあらゆるスペースが存在する。空から地面まで、ユーザーが自由にスペースを行き来でき、そのすべてが広告スペースとして活用できるのである。
これに注目したHapYak社は、360°動画の中で、様々な広告主を切り替える機能を開発しているという。
各ユーザーに合わせ、最適なタイミングで広告主を切り替えることで、これまでにない広告媒体としての動画を作成することが可能になるという。

セミナーの最後に、ブライトコーブ社の大野 耕平氏が登壇し、ブライトコーブ社やHapYak社が提供アプリケーションにより、実際にどれだけ簡単にインタラクティブ性のある動画が制作できるかを実践。
非常にシンプルなUIで、サクサクとインタラクティブな動画を作ってみせる姿に、会場は湧き、セミナーが締めくくられた。

※アプリケーションを使用した制作プロセスや、制作動画の例は以下に詳しく記載されているので、参照してほしい。
https://www.brightcove.com/ja/blog/2016/10/brightcove-interactive-video?elqTrackId=db32add4869448d8b958aedb7a19d19e&elqaid=2189&elqat=2&_ga=1.267024654.1451207784.1476435260

より良いユーザー体験を目指して

インタラクティブ動画を活用することで、マーケティングにおける動画活用の幅が大きく広がる予感を感じさせてくれた今回のセミナー。
単なる配信で終わらず、ユーザー参加型で楽しませる、インタラクティブ性溢れる動画制作が今後重要になるだろう。より良いユーザー体験を提供できるよう、見せ方とデータ活用をこれまで以上に大切にして動画マーケティングに取り組んでみては。

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