ヤマハ音楽教室では、4~5歳児を対象とした幼児コースにおける春の生徒募集キャンペーンで、親世代をターゲットにした動画マーケティングを展開。Viibarを活用し、「ぷっぷる」という教室のキャラクターが登場するアニメーション動画と、レッスン風景動画を制作。ランディングページのアクセス数は前年度比140%まで増加し、キャンペーン成果の一要因となった。テレビCMとは異なる形で、教室の特長をプロモーションすることに成功し、ユーザーだけでなく社内からも高い評価を得ている。

プロフィール

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    ヤマハ音楽振興会 国内推進本部 教室プロモーショングループ
    主任 宮田智種氏
    1992年入社。ヤマハ音楽教室直営センターでの教室運営業務を経験した後、ミュージックエンタテインメント事業を行うグループ会社に出向し、新人アーティスト発掘・育成・マネジメント業務を担当。2016年に復職し、現職となる。

スマホに特化した動画広告でキャンペーンを展開

___宮田さんのご担当されている業務内容についてお聞かせください。

私は教室プロモーショングループという部署に所属しており、子どもを対象としたヤマハ音楽教室の生徒募集に関わる仕事全般を行っています。当部署の最大のミッションは教室の在籍生徒数の拡大です。「新規の生徒さんの獲得」と、現在籍生の方々に長く続けていただき、上級のコースに進級してもらうといった「進級定着の促進」という両輪が主軸となって動いている部署です。

その中で、私が担当しているのは「新規の生徒さんの獲得」の部分での広告施策や各種キャンペーン企画、キャンペーンのためのツール制作などになります。
子どもを対象とした新規のプロモーションや会員獲得がメインで、動画広告だけでなく、バナー広告やリスティング広告も含めたデジタル周り全般を担当しています。

___社内でデジタル動画やWeb広告などについては注力されているのでしょうか?

Web動画広告を手厚く実施したのは、今回が初めてです。ただ、今までも、レッスン風景映像など音楽教室のイメージを伝えるムービーは制作していました。昨年の春に生徒募集キャンペーンを実施した際、ヤマハメソッドムービーという動画を12本作ったのが、本格的にweb動画に取り組むきっかけとなりました。

___なぜ、Web動画広告に力を入れようという方針になったのでしょうか?

それには、3つの理由があります。
1つ目は、現在の広告環境において、Web動画が主流になってきているということ。

2つ目は、今回のプロモーションは4~5歳児を対象とした幼児コースの生徒募集がメインだったのですが、ターゲット層を4~5歳児のお父さんお母さん世代に設定した、という点です。その年頃のお子さんを持つのは、30代~40代が中心だと思いますので、スマホを使いこなしている世代であるということが予測でき、スマホに特化した動画を作るのがベストであると判断したためです。

3つ目は、音楽の教室のプロモーションなので、音とビジュアルの両方を伝えられる動画が、一番メッセージを伝えやすいという点です。それらを総合して、社内で動画広告に力を入れていこうという流れになりました。

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高品質なクリエイティブが高い反応を引き出す

___今回制作した動画は、どのように活用されたのかお聞かせください。また、事前にKPIは設定されていたのでしょうか?

今回制作した動画は、YouTube、LINE、GyaOビデオ、Facebookなど様々な媒体で広告配信をしました。一つの媒体に絞らずに、いろいろな媒体で効果の違いを確認したいという考えがグループ内にあったのですが、今後は動画制作と配信をセットにして施策を講じていくことが必要だと感じています。

春の募集キャンペーンについては、期間が2016年11月~2017年5月末で実施され、今も若干配信はしているのですが(取材時)、検証はこれからです。5月末のキャンペーン終了後に今回のデータを分析にかけ、戦略的にメディア・プランニングをしていきたいと考えています。

KPIについては、明確な数値目標は決めていませんでしたが、まずはリーチ拡大を目標に設定していました。

___動画の反応はいかがでしたか?

本当にこれは重要なことだと思うのですが、クリエイティブが高品質だったので各方面で評判が良かったです。今回は、ヤマハ音楽教室のキャラクターである「ぷっぷる」とその仲間が登場するアニメーション動画と、実際のレッスン風景をストーリー仕立てにした動画を2パターン、合計3本をViibarさんで作っていただいたのですが、「ぷっぷる」のアニメーションがYouTubeで80万回ちかくの再生回数でダントツでした。広告配信の数が減っていた5月でも、再生回数は増え続けています。
シンプルな設定でキャラクターが教室の楽しさをアピールしているところが、単純に素晴らしいなと思いましたし、そういったクリエイティブをViibarさんが提案してくださったのも、とても有難かったですね。

もう一つのレッスン風景を扱った動画は、1分弱尺の中に、保護者が見守る中で、楽しく鍵盤を弾いたり歌ったり、といったヤマハ音楽教室の重要な要素を盛り込めた点も非常に良かったと思います。リアリティがあり、同年代のお子さんを持つ親であれば見入ってしまうような内容に仕上がったと、個人的にも感じています。
通常であれば、子役さんが演じるところを実際の生徒さんが出演してくださったというところも斬新だなと感じました。

実際に、こちらの動画を経由してLPに訪れた人の離脱率がすごく低く抑えられた、というデータが取れており、動画を見た時点で興味喚起されていた、ということが想像できます。
また、Facebookで配信した動画に「私もヤマハでエレクトーン習っていました。懐かしい」といったコメントが沢山ついたことも、とてもうれしい反応でした。

___社内での評価はいかがでしたか?

社内の評価も非常に高いですね。国内推進本部が催した会議でも、配信に関するデータを紹介しつつ、実際に効果が出ていることを発表したのですが、良い反応を得られています。

また、部署は違うのですが「ぷっぷる」をキャラクタービジネス戦略で本格的に展開していくというプロジェクトが発足しており、こちらのプロジェクトの先駆け的なプロモーションができたという認識が社内にあるようです。こちらのプロジェクトと連動して今回の動画制作を行ったわけではなく単なる偶然ですが、再生回数がYouTubeで80万回ちかく取れていますので、キャラクターの認知にも一役買っていると思います。

もう一つのレッスン風景の動画については、今までなかなかPRする機会がなかった4・5歳コース(幼児科)のレッスンにおける、楽器演奏の様子を取り入れた部分について良い評価が得られています。
テレビCMでは、音感を育むという面を強調していたので、歌を歌うシーンを中心にクリエイティブが構成されており、楽器を弾く印象は比較的薄かったと思いますが、この動画では、お子さんが楽器を弾きながらドレミで歌うというレッスン風景を見せることで、ヤマハ音楽教室幼児科における教育システムの根幹の部分がしっかり実像として打ち出せたからだと考えています。

広告としての動画活用で、前年度比140%のLPアクセス増

___キャンペーンの効果はいかがでしたか?

単純にランディングページのアクセス数というところで見ると、現時点で前年比の約140%を達成していますので、非常に効果は出ているという実感を持っています。
前年度のWeb広告施策の内訳は、12本のメソッドムービーを約3ヶ月配信したのと、静止画のバナー広告になり、今回との単純な比較はできないのですが、費用面ではそれほど差がない中で、140%のLPアクセス増は、非常に良い結果と捉えています。
広告という側面を意識し、きちんと目的やターゲットを絞って制作する重要性を改めて感じました。

入会申し込み数については、まだ最終集計値が得られてないのですが、メインの4・5歳コース(幼児科)に限っていえば、単純に前年度との入会者数を比較した場合、現時点で既に100%を越えていますので、それがどこまで伸びるか注目しています。
少子化が進んでいるうえに、一人のお子さんに対しての習い事の選択肢も非常に増えていますので、その中でも未だにヤマハ音楽教室が選ばれているというのは、すごく有り難いことですし、今後も継続して維持していきたいですね。

___宮田さんが今後Web動画マーケティングでチャレンジしてみたいことはありますか?

今回いろいろとチャレンジできたことは、すごく良かったなと思っています。
次回Web動画マーケティングに取り組む時に気を付けたいと思うのが、動画の尺ですね。
なにをKPIにするのかでも最適な動画尺は変わってくるとは思いま
すが、今回のように多くのメディアで配信できる汎用性の高い動画広告を制作するという観点で考えると、30秒という長さは一つの分岐点かなと思います。

やればやるほど、あれこれと内容を詰め込みたくなってしまいますし、短い尺で的確なメッセージを伝えることはハードルの高いことなので、それを実現するのは非常に難しいことですけど、チャレンジしていきたいですね。
今後は、媒体の特性に合わせてクリエイティブを変えていくといったアプローチも検討しており、サイズ等も意識して動画マーケティングに取り組めたら良いなと思います。

※本事例は、2017年5月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※本事例は掲載時点のものです。

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