2015年、下着を一輪の花のようにデコレーションしたギフト商品「パンツフラワー」を、アスキーアートを使って話題拡散させたワコール。続く2016年は、動画を使って「パンツフラワー」の拡散を狙ったキャンペーンを実施。Viibarを活用してシンプルで考えぬかれた動画をリーズナブルに制作し、リリース後も毎日テキスト等の綿密な調整を行うことで、売上拡大を実現した。

プロフィール

  • ワコール北見氏株式会社ワコール
    総合企画室 広報・宣伝部 WEB・CRM企画課 北見 裕介氏
    2008年にワコール入社。情報システム部を経て現職。Webサイトの運営・メルマガ・SNS・ネット広告など、ウェブ業務全般に携わる。

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「売上増」を実現した、シンプルなメッセージ、好かれる動画

Viibar 今回、動画にはどういった役割を期待されたのでしょうか。

ワコール 話題をプッシュしていく広告配信予算が少ない中で、アスキーアート施策と同レベルのリーチを実現する事です。パンツフラワーという商材はそれ自体が面白いので、純粋にこのアイテムがある事を知ってもらえば欲しくなるのではないか、という仮説を頼りに、動画ではパンツフラワーのことを自然に、シンプルに知ってもらえる内容を目指しました。

Viibar どういったKPIでリーチを評価しているのでしょうか。

ワコール YouTubeの再生回数を軸に見ようかと思っていましたが、実際動画を制作した後はかなり印象が変わり、タイムライン型のSNSが向いているので、Twitterのツイート数やリツイート数、Facebookのシェア数やコメント数を重視しようと思い直しました。動画のスタート部分がプレゼンで勝利したシーンから入るのですが、タイムライン型のSNSのスクロール表示と動画の動きが連動して一緒に動く表現になっていて、すごく面白いと感じたんです。

「パンツフラワー」商品紹介動画 from Viibar on Vimeo.

Viibar なるほど。結果的に、今回の動画施策はどのプラットフォームに最も向いていたと思われますか。

ワコール 結果を見ると、昨年と同じくTwitterに寄っていた印象です。おそらくFacebookで同じことをしても全然広まらず話題化しなかっただろうと思います。

Viibar 事前に考えられていた効果は達成されましたか。

ワコール そうですね、達成できたと思っています。売上も増加しましたし、「今年もパンツフラワーの季節が来た」というコメントが付いたりしました。これはまさに狙っていた事なので、結果が達成できたことがわかるコメントでした。
また、昨年と違って動画にしたことでのメリットとして、運用型広告の素材としても使う事ができた事があります。しかも、アニメーションだったので出演者の利用期間等の制約もなく、自由に素材を使わせていただく事ができました。例えば、動画広告開始後すぐにワコールのECサイトのパンツフラワーが売り切れてしまったのですが、LPを修正し、店舗で買って下さい、という導線に変更して再度、動画広告を再開する、というようなオペレーションも可能でした。

Viibar 売上増、というのは大変素晴らしい成果ですよね。

ワコール 今回は昨年の数倍以上の商品を用意しました。前年はこんなに売れると予想していなくて、うれしい悲鳴だったのですが、その反省を生かして商品ご用意したので、大きな売上向上に繋がりました。

Viibar ユーザーさんの感想はソーシャルリスニング等で拾われましたか?

ワコール はい、調べた結果ものすごい数のコメントが出ていました。大きく分けると、「いい話かと思ったらパンツかよ」というツッコミか、「最後まで見てしまった」というコメントのどちらかでした(笑)。広告なのに最後まで見たっていうコメントは本当に嬉しかったです。しかも、シェアするときにも、「必ず最後まで見て」とコメントを添えてシェアする方が沢山いらっしゃいました。

Viibar 動画の社内の評判はいかがでしたか?

ワコール 社内でも分かりやすい動画だと、高評価でした。「いい話かと思ったらパンツかよ」というシンプルなメッセージがすごく受けました。情報が溢れ返る時代において、このシンプルなメッセージをストレートに届けるクリエイティブが珍しいと、ブランド側からはすごく良い評価を受けています。

ワコール北見氏

リリース後が勝負。日々調整し続けることの重要性

Viibar 動画をリリースした後に、どういった事をされていますか。

ワコール 貧乏症なので(笑)、配信辺りにすごくこだわっています。例えば、同じ動画でもYouTubeとTwitterではタイトルを変えています。YouTubeでは「ワコール劇場『一枚の花』」なのですが、広告では「バレンタインスペシャルアニメ『一枚の花』」としていて、バレンタインに引っ掛ける為に出しているものと、ワコール劇場という言葉に引っ掛けているものがあります。詳細文も変えました。また、出す時期によってもテキストを変えていて、バレンタインに向けて作ったアニメです、と書いていた所を、バレンタイン終わった次の日には別のテキストに変更しました。
Webでは、文字+動画というか、動画のタイトルやTweet文言、Facebookの文言等との連動性が重要だと思っています。個人的には、動画の最初の5秒にこだわるのと同じくらい重要な話だと考えています。だから例えば、この文言をフックに、この動画を作りたいです、という考え方の順番でもおかしくないかなと思うくらいです。

Viibar 本当にそうですね。タイトルは北見さんが考えたのでしょうか?

ワコール 私の先輩が考えてくださったものです。Web動画ではタイトルはなかなか難しい所です。一方テレビCMはタイトルが付いていても表示されない。Webではタイトルや詳細文の表現、文言次第で動画の効果が変わってしまう気がしています。

Viibar テキストについては、ABテストもされているのでしょうか。

ワコール はい、ABテストはしています。今回のパンツフラワーはBROSというメンズブランドで、女性から男性にプレゼントする想定のため、ターゲットは女性です。これを踏まえて、ワコールとBROSの2つのTwitterアカウントで動画を流し、タイトルも複数用意し、さらに昨年のアスキーアートと一緒に出すパターンも用意して、複数のテストを行いました。
すると、バレンタイン用の内容をBROSのアカウントで出したものが一番効果が良かったんです。おそらくですが、ワコールのアカウントだと、動画のオチがパンツという事が事前に分かってしまった。一方BROSのフォロワーはまだパンツフラワーという商材をよく知らないので、反応が良かったのではないかと思います。当初は女性ターゲットなのでワコールのアカウントの方が良いのではないかという仮説を持っていたのですが、BROSの方が結果的に良かったのは意外でした。結果がわかったら、広告を全体的にBROSに寄せていくなどの調整をかけました。

好感度の高い動画が来店に繋がることを証明したい

Viibar 今後、動画を使ってやってみたい取り組みがあれば教えてください。

ワコール テレビCMは何十年もオペレーションが磨かれてきたので、商品が出来上がる前からCM制作が並行して、十分なスケジュールで制作が進みます。一方Web動画は、ほかが決まってから遅れてスタートするので、商品の発表に間に合わなくなるんですよね。だからプロモーションの核としてWeb動画を持ってくる事が難しい。このオペレーションは改善したいと思っています。
 また、バナー等のWeb上の広告は基本テレビCMよりも好かれていない。動画でこの壁を超える必要があると思っています。今回の「一枚の花」という動画は、そういう意味でもWebで好かれる動画、ユーザーが望んでシェアする動画を目指しました。更に、Web担当としての理想は、Web動画に好感を持ってもらうことで、お店に人が来る、という実績を作りたいと思っています。更に、Web施策に繋がる形で、店頭のデジタルサイネージにも動画を上手く活用したいと思っています。

Viibar この度は貴重なお話をいただき、ありがとうございました!

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