MARK STYLER株式会社が運営するECサイト「RUNWAY channel」は、サイト設立5周年を記念して、新規顧客獲得のための大型キャンペーンを展開。ターゲット層である20代前半の女性を取り込むためにWeb動画広告を採用したことで、キャンペーンの売上と新規顧客数の増加につなげることに成功した。

プロフィール

  • markstylerMARK STYLER株式会社 EC本部  
    本部長 北島健一氏
    WEBデザイナー、システムエンジニアの経験を経て、2001年にiモードでレディースファッション専門のECサイト立ち上げに参画したことを機に、Eコマース事業に傾倒する。多数のアパレルブランドやファッションイベントのECサイト創設に携わり、2005年から某ファッションECモールのマーケティング責任者として、ファッション×ITの事業推進を行なう。2011年にMARK STYLERに入社し、RUNWAY channelの立ち上げに参画。現在に至る。

女性若年層へリーチさせる施策として動画を選択

-----北島さんの担当する業務内容をお聞かせください。

MARK STYLERはアパレルの会社で創立から10年以上の歴史があります。弊社は様々なブランドを展開しているのですが、自社ブランドの商品を販売する公式ウェブストアという位置付けでRUNWAY channelというサイトを運営しており、私はそのサイトの責任者をやっています。主な業務内容は、市場をリサーチしてブランドの商品をいかに売るかといった戦略を立てることや、ブランディングなども含めたECシステムの管理などを担当しています。ECサイトの運営は、全てEC本部という部門で内製でやっているので、販促、集客などについても私が責任者です。

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RunwayChannelのサイト http://runway-webstore.com

-----EC本部には何名くらいスタッフがいらっしゃるのでしょうか。

現在EC本部には、社員が40名弱在籍しています。また、千葉県にある倉庫で、20名くらいのアルバイトがECサイトの商品撮影チームとして勤務しています。

-----RUNWAY channelでは、今までも動画を制作されていたのでしょうか?

2011年にテレビCMを制作したのですが、その際、そのCMをWebでも配信したことがあります。また、RUNWAY channelのスマホアプリを立ち上げた際に、アプリのダウンロード訴求CMとして動画を制作しました。Web限定の動画制作というのは、今までやったことはありません。動画自体をフィーチャーしたプロモーションは今回が初ですね。

-----今回Web限定の動画制作に取り組まれた理由は?

現状、RUNWAY channelは既存顧客が売上を作っていて、20代前半の女性層を新規顧客として獲得することが課題としてありました。ですので、その層にターゲットを絞り、RUNWAY channelの認知度を高める戦略を進めています。

以前から、若年女性層にリーチするようなアプローチを探っており、バナー広告やSNSを使って、Web経由の集客については戦略を練っていましたが、もう一歩広げて、よりマスに近い顧客を獲得できる手法はないかと、様々な方面で検討を重ねていました。そして、動画広告の市場が拡大していて注目を集めており、さらに20代前半の若年層にリーチしやすいアプローチであるという結論に至りました。

-----SNSでは、今までどういった集客をされていたのですか?

RUNWAY channelに関するSNSの利用は、基本は販促がメインで、先行セールなどのブランドの売上に直結する情報を、ファン層に向けて発信しています。ブランド本体は、独自にブランディングに特化した動画をSNSで配信していますね。

商品を買ってくれる潜在顧客に対してのアプローチというのは、割と成果を出せているという自負はあります。ですので今回は、ブランドやRUNWAY channelをまだ知らない、知っているけど買ったことがない顧客の獲得を、主な目的としました。

F1層の人口は現在1千万人程度で、年々その数は減ってきているのですが、とはいえ、RUNWAY channel全体の顧客数は200万人程度なので、まだ取りきれていない見込み顧客が多くいます。今後はそういった層をターゲットに、キャンペーンを張って行くことが重要だと考えています。

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ECサイトの認知度を高めることを目的にする

-----動画を制作してみていかがですか。

動画についてはとても興味がありました。Web広告のメインはバナー広告などになりますが、やはりメッセージを表現しきれていないというか、伝わりきっていないところもあると感じていました。

弊社のブランドを知らない顧客に、いきなり商品を購入してもらうのは無理なことなので、今回は、まずRUNWAY channelを知ってもらうことを主眼におきました。目的が明確になったので、今までやったことのない、面白くて注目されるようなクリエイティブを作りたいと考えました。

動画の大まかなコンセプトに関しては、トレンドワードを取り扱ってほしいということを、私のほうからクリエイターさんにお願いしました。動画を見ていただくとわかる通り、ファッションの神様が、トレンドワードを面白おかしく表現するのですが、モデルの子はさっぱりわからないというストーリーです。

そのトレンドワードの詳細を教えてくれるのがランチャン(RUNWAY channel)だよという落とし方にしたかったのですが、それをクリエイターさんが、非常にうまく表現してくださいました。

ブランドイメージと面白みのある印象の両立

-----動画を見たユーザーの反応はいかがでしたか?

「RUNWAY channelで商品を購入してみたい」といった反応や、「こんなサイト知らなかった」「サイトを見たいと思った」といった良い反応がありました。今回の動画では、売上に対する効果は、それほど求めていなかったので、あくまでこんなサイトですよというメッセージが、新規ユーザーになる潜在層に少しでも伝われば良いと思っていました。その期待には答えてくれたと思っています。

-----御社のカッコいいブランドイメージと、面白い動画をミックスさせるのは、なかなか難しいことだったと思うのですが、社内をどのように説得されたのでしょうか?

やはり、ブランドにはなかなか理解されにくい部分がありましたね。これに限ったことではありませんが、若い子たちの間で流行っている現象というのは、我々の世代には100%理解はできないことなので、説得というよりは、目的だけを伝えて淡々と進めていった感じです。

重要なのは、動画を見てサイトを知ってもらうことです。従来通りのブランディングは、そのあとサイトを見てくれた顧客に対してしっかりと見せていけば良いことなので。もちろん、面白いと言っても、あまりダサくならない程度の遊び心で、ブランドイメージを毀損しないギリギリのラインを狙ったつもりです。

-----御社内での反応はいかがでしたか?

正直なところ、制作前は、社内でどういった反応があるか不安な面はありました。しかし、ブランドやサイトを知らない潜在顧客に、注目してもらうというのが重要な目的なので、そこがブレてしまうと、やる意味がないと思っていました。

あまりブランド側のスタッフの意見を聞いてしまうと、どうしても優等生的なクリエイティブになってしまいます。それでは、競合他社のやっているキャンペーンとの差別化が図れません。ですので、内容的にはブランドイメージに反する部分があっても、多少は目をつぶってほしいと考えていました。最終的にブランドサイトにランディングしてもらえれば、ブランドのコンセプトを理解してもらえるはずですからね。

動画リリース直後は、多少ですが社内で反発もありました。しかし、新しい顧客層に響いたという感触もあり、動画の効果検証も良かったので、そこは結果オーライといった感じで、これから売上という数字に繋がっていけば、皆理解してくれると思います。

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キャンペーン全体で売上と新規顧客数が増加

-----新しい顧客層に響いたかどうかについては、どういった指標で測られたのですか?

態度変容調査(attitude change research)を使いました。この調査では、20代前半と、20代後半を対象に実施したのですが、20代前半のほうが、20代後半よりも態度変容の伸び幅が良かったという結果が出ています。Viibarさんの過去の事例と比較しても、かなり良い数値だと聞いていますので、その点は満足していますね。

-----態度変容以外のKPIはありましたか?

KPIについては、動画広告だけではなくて、期間中のキャンペーン全体で、売上や新規顧客数が増加していれば良いかなと思っていました。実際に、今回のキャンペーンでは、通常期よりも新規顧客数が通常の1.2倍くらい増加しています。また、売上は約15%アップしました。

動画で話題づくりも出来たので、費用対効果に関しても、キャンペーン全体としては成功だったと思います。

-----今までのCM制作とViibarのようなクラウドの動画制作に違いは感じましたか?

制作の進行などに、大きな差はないのですが、動画制作における私の立ち位置が全く異なりましたね。

CM制作は、超がつくような大きな広告代理店とプランニング制作会社だったので、現場もわりとピリピリした感じで、私はあまり口出しできない雰囲気でした。できたのは、衣装のズレを調整するといった指示くらいですね。

Viibarさんとの動画制作は、現場にも良い意味での緊張感はありますが、そういったピリピリしたムードはありませんでしたね。私も自由に意見できましたし、クリエイターさんとフラットに話せたのは良かったなと思います。

-----広告配信以外で動画の活用法について教えてください。

RUNWAY channelのLPには、もちろん動画を掲載しています。そこで、モデルさんの着ているコーデを紹介し、販促につなげていますね。

-----動画配信もViibarに依頼していただいた理由を教えてください。

動画の目的を、社内で理解してもらうのは容易いことではないので、そこは専門の会社にお願いしたほうが、良い提案をいただけると思ったからです。 また、動画を視聴した方に対して、通常のバナー広告を使うか、DSP広告をやるかどうかといった検討も、全てViibarさんにプランニングしてもらいました。

-----今回の取り組みを通じてWeb動画の可能性についてどう思われましたか。

やはり、Web動画は面白いですね。今までにやってこなかったタイプのクリエイティブで、ユーザーの反応を見られたことは、非常に良かったと思います。今回初めてのチャレンジでしたが、今後もっとやっていきたいですね。

-----動画を使ったマーケティングで、今後やってみたいことはありますか?

動画制作については、最近流行っているマネキンチャレンジに興味がありますね。ファッションに親和性が高いネタだと思うので、ビジュアル的にも、カッコよさと面白さを融合できるような気がします。ブランドはカッコいいけど、RUNWAY channelでやっていることはお祭りとして面白いよねといった方向性に持っていきたいので、うちのサイトに合ったネタなのではないでしょうか。

また、ニュースに取り上げられるなど、もう少し目に見える感じで、動画の二次拡散ができればもっと嬉しいなと思っています。

※本事例は、2016年11月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※本事例は掲載時点のものです。

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