キリン株式会社は、Viibarを活用することで、Webメディアを主体とするマーケティングを行なう新たなフェイズへ繋げる布石として、ソーシャルメディア用のWeb動画を制作。ユーザーと親和性の高い印象的な飲用シーンの動画を投稿することにより、エンゲージメントを高めることに成功した。

プロフィール

  • kirinキリン株式会社 CSV本部 デジタルマーケティング部 大森有夏氏
    1990年生まれ。キリンビバレッジ株式会社に入社し近畿圏に配属。営業を3年経験し2015年秋にデジタルマーケティング部に異動。キリンビバレッジのソーシャル運用、ブランドコミュニケーションを担当。

直接クリエイターとやりとりのできるメリット

___大森さんの担当されている業務内容について教えてください。

私はキリン株式会社が展開するキリンビバレッジ、キリンビール、メルシャンという3事業のデジタルマーケティングを担当する部署に所属しています。事業会社にもマーケティングを担当する部門があるのですが、私たちはデジタルマーケティングに特化した部署という位置づけです。

その中で、私はキリンビバレッジのチームに所属しており、Twitter、Facebook、Instagramといった SNSの自社アカウントや、オウンドドメディアなどの運用の他に、ブランドコミュニケーションといって「午後の紅茶」や「ファイア」といったブランドを担当し、マーケティング部とお客様とのコミュニケーションの取り方を考えながらデジタル施策部分の展開を行なっています。

___動画制作は今までも実施されていたのでしょうか?

テレビCMの15秒バーションをWebで流すことは以前から行なっていましたが、ソーシャルメディア専用の動画制作はしていませんでした。若年層への訴求は、ソーシャルメディアの活用が主流となってきている中、静止画より動画のほうが若者の反応を得られやすいということも分かってきています。テレビCMの転用だけですと、どうしても反応が見えにくいので、テレビCM以外の動画を導入し、その反応を探っていく必要性がありました。また、顧客から「動画をみたい」といったニーズもあり、Web動画は、喫緊で取り組んでいかなければいけない課題だったのです。

___Viibarを活用して良かった点についてお聞かせください。

直接クリエイターさんとやりとりでき、こちらの意向がすぐに反映される点が良かったです。また、夏のハワイなど、現地に行って撮影しなければいけないシーンも、実際に現地のクリエイターさんに撮ってもらえたので良かったです。クリエイターさんの対応が非常に迅速だったので、率直な感想として、こんなに短期間でハイクオリティな作品が仕上がるのだなと驚きました。

Viibarの動画制作の仕組み
crowd

___Viibarを利用する上で不安な点はありましたか?

こういうコンセプトを伝えたいという要望を直接伝えた上でいただくご提案はとても斬新なアイデアばかりで不安はあまりなく、むしろ作品の出来上がりが楽しみでした。

私たちはソーシャルをメインに担当しているので、ソーシャルらしい動画とは何かということを追求しています。ただ「新発売!」といったことをアピールする広告的なクリエイティブではなく、生活の中にある身近な存在として新商品を捉えてもらえる、印象的な飲用シーンを動画で伝えられたらなと思っていました。

また、シーズナル商品に関する投稿もありますので、季節を意識したクリエイティブ作りも必要になってきます。ただし、トライアルである以上、必ずしも結果を出せるわけではありませんので、Viibarさんの提供するシステムがあってこそ、今回のような様々なチャレンジができたのだと思います。

制作が大掛かりになればなるほど結果を求められ、常にKPIを意識する必要があるので、なかなか柔軟な対応やユニークな発想に結びつきません。例えば、メッツが波に乗るとか考えたことなかったんですよ(笑)。Viibar所属のクリエイターさんたちの発想も豊かで、ブランドに寄り過ぎず、お客様目線で楽しんでもらえるご提案をいただけたのでとても良かったと思います。

波乗りメッツ

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キリンビバレッジ(KIRIN Beverage)さんの投稿 2016年9月11日

事前にNG項目を共有したことでスムーズな制作進行が可能に

___こういう動画を撮りたいといったイメージは事前に持たれていたのでしょうか?

テレビCMをしない商品もあるので、Web動画のクリエイティブが、その新商品のイメージに直結してしまう可能性もあります。そういった商品は、交通広告を出すときのオリエンシートなどをもとに、ブランドチームと綿密にトーン&マナー確認しながら制作を行いました。

___これは苦労したなど、制作中の印象的なエピソードなどはありますか?

季節の撮影は、決め打ちなので難しかったですね。天候の変化などで撮影後に修正が効かない部分が出て来る可能性がありました。今回は、「直射日光下での撮影は避けてほしい」といった弊社からの細かいお願いを事前に共有しておき、不安な部分を一つ一つ潰していけたので特に大きな修正やNGはありませんでした。

クリエイターさんに直接修正をお願いするといったことも、まったく初めての経験でしたが、柔軟に対応していただけたので助かりました。直接言いにくいことも多少はありましたが、例えば、蝉の鳴き声が、SNSに投稿するシーズンに合わないので、カットしてほしいという意向は、Viibarの担当さん経由でお願いしてもらって撮り直していただきました。その時も他のふさわしい音源をすぐに録音してくださって、ご対応いただく早さと作品を良い物にしようとしてくださるクリエイターさんの心意気に驚きました。それ以外にも、担当の方が常に親身になって協力してくださったので非常に良かったですね。

印象的な飲用シーンを伝えていく中で、無音でも楽しめる動画がヒット

___KPIは事前に設定されていたのでしょうか。

商品にも、ソーシャル受けする商品と、そうでない商品があるので、新商品の発売告知投稿のユーザーの反応を見て初めて、こうした層にこの商品は受けるのかといったことに気づくことも多いです。ですので、動画投稿に対して個別のKPIを設定するというよりも、新商品告知の投稿に対するKPI設定がまずあって、例えば動画だったら、静止画の1.2倍程度獲得できると良いのではないかといったおおまかな予測を持って、取り組んでいた感じです。

それぞれのブランドや商品によってターゲット層が違います。「午後の紅茶」や「トロピカーナ」といったブランドは、ソーシャルと親和性が高く、新商品発売の告知を出すと、すごく数値が跳ねることがあります。また、ソーシャルメディア別に相性のいいブランドがあるといったこともだんだんわかってきて、例えば「ファイア」だったらFacebook、「午後の紅茶」だったらTwitterというように反応も異なっています。

どの商品でWeb動画制作を行うかということに関しては、今までのテキスト投稿や静止画投稿で反応の良かった商品の中から、新商品告知のタイミングを見合いながら、「生茶」と「午後の紅茶」をまずセレクトしました。

動画が成功したか否かという基準については、再生数やインプレッション数なども見ていますが、反応をどれくらいとれるかといった観点で、エンゲージメント数を一番に見ていました。

___その数値はイメージどおりですか?

数値的には、もう少しほしいというのが正直なところですが、改善すべき点は動画だけではないと考えています。今回、動画に添えたテキスト部分は内制だったのですが、このテキストを工夫することで、もう少し数字がとれていたのではないかということが一つ反省点としてありますね。

Viibarさんで制作した動画の中で一番エンゲージ数の反応がよかったのはメッツ、その次が世界のKitchenからソルティライチです。メッツやソルティライチの数値が良かったことの一つの要因は、無音でも楽しめる動画だった点にあると思います。メッツの場合は、動きがあることでユーザーの興味を引きつけ、逆にソルティライチは、静けさの中で本を開いて飲むといったクリエイティブがブランドイメージと合っていたのだと思います。

昼下がりのソルティライチ

まだまだ暑さが続きますね。ひんやり冷やしたソルティライチをどうぞ。

キリンビバレッジ(KIRIN Beverage)さんの投稿 2016年9月16日

これが、Instagramでの投稿になると、また違った反応が出てくると思いますので、クリエイティブの方向性も変えていく必要があると思います。今後は、そうしたメディアごとの特徴についても検証していきたいですね。また、午後の紅茶やトロピカーナのレシピ動画については、再生数は良かったと思います。ハロウィンやクリスマスなど、季節に応じたタイミングで投稿できたので、再生数を伸ばすことができた要因の一つだと思います。

___費用対効果についてはどのようにお考えですか?

費用対効果については、今回は初めての試みでしたので、まだ判断できないかなと思っていますが、非常に良い経験ができたと感じてますし、今後は、ここで得た知見を活かしながら、さらに改善していければと思います。

Web動画は、必ず成功する方法などありませんので、少しずつ反応を見ながら、何がヒットするのかを分析していく必要があります。今回の動画制作で、そうした施策への良い一歩を踏み出せたと思います。

動画に限ったことではありませんが、担当者はすごく良いと思っても、実際の反応は違うということは良くあります。そのギャップは、お客様目線に立っているか否か、だと思うので、やはりお客様目線に立った上で、クリエイティブを追求していかなければいけませんね。

kirin

___今後動画制作で挑戦してみたいことはありますか?

2016年は、デジタル施策の重要性についての認知が社内全体に広まった年でした。ですので、2017年は2016年で得た知見を活かし、各部署がさらに上手く連携してデジタル施策を強化していくフェイズになりつつあると確信しています。

現在は、まだマスメディアにおける施策が中心になっていて、そこから派生してWebメディアが後追いで施策を行うといった体制が主ですが、今後はWebメディアもマスメディアと一緒に並行して施策を展開するように変化しつつあります。また、場合によってはWebメディアがリードして、それぞれのメディアの特性にマッチした広告の出し方を練っていくという体制も必要になってくるのではないかと思います。今後は、ブランドチームとガッツリ絡んで、Web限定公開の動画を配信するなど、もう少しアテンションをとれる施策にもチャレンジしてみたいですね。

※本事例は、2017年1月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※本事例は掲載時点のものです。

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