情報通信サービスやOA機器、保険商品などの販売代理を主業務とする総合商社の光通信。若い社員が活躍できる実力主義の企業風土にマッチした人材を求め、海外での採用活動に力を入れているが、知名度不足などの課題を抱えている。そこで今回は、YouTube TrueView広告を活用して米国向けに動画広告を配信。海外出身社員のインタビューをベースに光通信の事業内容や企業文化を説明する動画を英語で用意し、結果として目標の約1.4倍のインターンシップ参加者を獲得した。

プロフィール

  • 大嶋 敏也氏1979年生まれ。2005年に早稲田大学卒業後、光通信に入社。2008年に、社内コンサルティングを目的とした新規部署「業務戦略部」を立ち上げた。
    現在では、採用から経営管理まで、幅広い範囲を管理している。
  • 神田 麻里氏1992年生まれ。2015年に上智大学を卒業後、光通信に入社。入社1年目から、新卒採用に従事。優秀な人材を採用するために奔走している。

企業風土にマッチした人材を求めて

—-最初に、大嶋さまと神田さまの担当されているお仕事の内容をお聞かせください。

大嶋さま
光通信の業務内容を一言で説明するのは難しいのですが、私どもはディストリビューターという言葉を使っています。ディストリビューターとは、直訳すればお客様に物を届ける仕事ですが、弊社のような代理業としての商社もそれに含まれると捉えています。

代理業としての例を挙げると、OAメーカーさんの製品や、通信キャリアさんの通信開設・サービスなどです。また現在は、光通信独自のサービスも提供しており、代理業以外の事業も増えてきています。

弊社の組織は、大きく分けて営業部門と、管理部門(コーポレート部門)があるのですが、私たちが担当しているのは後者です。バックヤードとして会社全体を管理運営していく部門で、現在約700名が所属しています。また、管理部門の組織内には、ファイナンス部門、システム部門などの専門職もいて、営業部門をサポートしています。その中でも、私と神田が担当しているのが採用業務です。

神田さま
大嶋は、中途・新卒を含めた会社全体の採用を担当しており、私は、新卒の採用を担当しております。

—-海外からの人材を採用することも重要視されているそうですが、その理由について教えて下さい。

大嶋さま
光通信のコーポレイト・アイデンティティの一つに、若い人たちが大きい仕事にチャレンジできるという企業風土があります。年功序列ではなく実力主義ということです。採用では特に、海外に出て活躍している日本人、海外から日本に興味を持っている外国人といった人材をターゲットにしています。海外からの採用を重要視しているのは、事業をグローバル展開したいといった意図からではなく、実はそうした実力主義の企業風土に合った人材が、日本にも少なからずいるんですが、海外はさらに多いからなんです。

hikari

海外の採用イベントで動画が活躍

—-求人用の動画制作は、今までも行っていたのでしょうか?

大嶋さま
ボストンキャリアフォーラムというアメリカの採用イベント用に動画制作を行ったのが最初です。会社としては十数年ぶりの出展だったのですが、私たち担当にとっては初めての経験でした。イベントには、外資系企業だけでなく、日本企業も含めて200社近くの名だたる大企業がブースを出しています。その中で、私たちに何ができるかを考えたときに、ブースを大きめに取って、まずは目立つことが大事だと考えました。

そこで、目にとまりにくい静的な展示内容ではなく、動的な展示内容にすることで、皆が立ち止まってくれるのではないかと考えたんです。そうした展示内容の一つとして、動画を活用しました。目立つ動画を流せば、立ち止まってくれる人が増えますし、映像とともに音が流れることで見てくれた人の心にもより深く響くだろうと考えたのです。

hikaritsushin
ボストンキャリアフォーラム出展の様子

流した動画は、黒い背景画面に白いラインや文字メッセージが流れる、コンセプチュアルな内容でした。音楽もロック調で、カッコ良くて挑戦的なイメージの動画を大きなスクリーンで流すことで、来場者の注目を集めることができたのです。

また、プロのマジシャンに転身した元社員にプレゼンを行ってもらい、最後にマジックで来場者を驚かせるという演出も行ないました。皆が拍手をしてくれるので、その様子で弊社のブースに興味をもってくれる方も多かった。このように他企業よりも目立つ工夫の一つとして、動画を用いたのが、最初の動画制作です。
次に動画制作を行ったのは、翌年の同イベントです。その際は、自社の動画制作チームが、内製で制作したのですが、前回のように、そこまで派手にやらなくてもいいのではないかという社内の温度感があったことと、社員が仕事に取り組んでいる会社の雰囲気をより伝えられるように、もう少し落ち着いたイメージの動画を制作しました。写真素材を組み合わせて、企業イメージを打ち出していくというスタイルで、セミナーの間に流すだけでも会社の雰囲気が伝わる内容でした。

そして、次が今回Viibarさんに制作をお願いした動画なので、私たちの担当になってから3作目の動画になりますね。

—-内製でも動画を作れる部隊をお持ちなのですね。

大嶋さま
はい。部隊と言っても、大きなチームではありません。弊社は数多く商品を扱っていますので、宣伝クリエイティブについては、作れるものは内製で済ませるという考えもあって、少しだけ人員を確保しています。

採用施策を突き詰めたら、動画に至った

—-今回は、Googleさん経由で、Viibarを使っていただいたと聞いていますが、もともと、採用に動画を積極的に作っていこうという方針があったのでしょうか?

大嶋さま
いいえ、元々は動画のことは想定していませんでした。動画はツールでしかないと思うので、最終目標に対して、どういうツールを選択するのがいいのかということでしかありません。最初は、私たちからGoogleさんに採用施策についてご相談を持ちかけまして、当初は、特に動画前提という話ではなく、様々なアプローチ含めて話し合いながら、どのような施策を練っていくべきかを整理していきました。その中で、最終的に動画が一番効果的なのではないかという結論に至ったのです。

hikari

なぜGoogleさんにご相談したのかというと、日本の新卒一括採用は時期が決まっていますが、海外における採用では、就職希望者たちが一体何をしていて、どのタイミングで就職活動を始めるのか、非常に掴みづらいんです。海外において、どの時期に、どういう採用施策が行われていて、どういう体制で、どういうことをやればいいか、という情報を、きっとGoogleさんがお持ちなのではないかと考えました。そして、ネット上で就職希望者がどのように行動しているかという動線について明らかにしていって、最大の効果が得られる施策は何か探った答えが、動画だったんですね。

—-今回の動画制作の最終目標は、採用人数ということになるのでしょうか?

大嶋さま
ゴールはそれです。加えて、弊社の認知度自体を上げるということを中間KPIにしたいと思っています。

とは言え、採用活動の中の一つの施策として動画を位置づけているので、採用活動全般を通して採用人数をKPIとし、動画自体にKPIを設置するという感じではありません。一つの動線の中で、ある母集団の中でこれくらいの人数を採用できればいいなという目標が、それぞれの施策にあります。最終的な人数は、うまくいく場合、行かない場合があるので、それらを相殺して帳尻を合わせているイメージですね。

※本事例は、2016年8月に実施したインタビューに基づいて作成しました。
※本事例は掲載時点のものです。

後編に続く

Pocket