スポーツマーケティング事業の一環としてスポーツの新市場を開拓するクロススポーツマーケティング株式会社は、3人制バスケットボールに注目し、専門のチームを立ち上げる。3x3.EXEというブランドで、リーグやトーナメント、普及イベントを開催。普及のカギを握るデジタル動画マーケティングでViibarを活用。過酷な撮影スケジュール、環境の中、クリエイターと綿密にコミュニケーションをとることで、ブランドイメージに則したクリエイティブを制作。プロモーション素材として多方面に活用。

プロフィール

  • crosssportsクロススポーツマーケティング株式会社 Basketball Marketing team Manager 安田美希子氏1980年生まれ。
    人材会社、LAにあるスポーツマーケティング会社等を経て2013年よりクロススポーツマーケティングへ。リーグ制度設計、プロモーション・ブランド戦略から大会・イベント運営まで、3x3に関する国内外のマーケティング業務を一貫して担当。

動画制作で参考にされたスポーツリーグはありますか?

スポーツ専門チャンネルのESPNや、NBAのインスタグラムなどを参考にしました。もちろん、Jリーグのチーム紹介動画など、日本のリーグの素材もいろいろと参考にしています。海外テイストのクリエイティブを意識しているので、表記は全部英語もしくは、英語と日本語を併記しています。ロゴやグラフィックの使い方もまだ不十分な面があるので、今後もいろいろな素材を参考にして、質に磨きをかけていきたいと思っています。

課題はあるものの、各方面から高い評価を得る今シーズンの動画

Facebookページで使われている以外で動画をどのように活用されていますか?

現状でいうと一般ユーザーに対しては、Facebookページでしか動画を出せていません。今後は、今更なのですが、Youtubeでもきちんと出していこうと考えています。 その他は、セールスの素材として動画を活用しています。PREMIER.EXEは、チームオーナーも公募しています。年間のランニングコストが500万~600万円くらいでオーナーになれるというのが売りなのですが、商談で実際の試合を見てもらうために営業ツールとして動画を活用しています。

また、スーパースポーツゼビオ店内のバスケコーナーで、小さいモニターで動画を流しています。今まで店頭プロモーションで流す素材もなかったので、そうした場面でも非常に役立っていますね。

動画制作中に、何か印象に残ったことなどはありますか?

今回本当にトライして良かったのですが、難しい面も多々あり、課題は沢山あるなというのが率直な感想です。

クリエイターさんは、バスケを専門にとっているカメラマンさんではないですし、私たちも3x3でちゃんと動画クルーを入れて撮影したことがなかったので、毎試合ごと試行錯誤でした。 例えば、カメラ位置をどこにするのが一番いいのかという問題が常にありました。屋外なので、体育館で撮影するのとは全く状況が違うのです。

現場で一番予期せぬ出来事だったのは、試合が6〜8月に開催されていたので、暑さでカメラがいきなりダウンするというトラブルです。また、日が動いていくので、反射なども考慮に入れなければいけないということも大変でした。カメラを近づけすぎると、競技環境に影響しますし、競技だけでなくオーディエンスの雰囲気も撮りたかったので、カメラ位置は非常に悩みましたね。

また会場ごとに条件が変わります。例えば、横浜の赤レンガ倉庫での大会では、上から撮影できるポイントがありませんでした。また、天候の影響ももろに受けるので、風が強いとか、日除けがないといったことにも臨機応変に対応する必要がありました。毎回条件が変わるので、そこがとても大変でしたね。 撮影後にも、難しい課題が沢山ありました。全国8大会をそれぞれ土日2日間で開催するのですが、次の大会までの間が、隔週もしくは、もしくは一つも週末をはさまないということもありました。

撮影後48時間以内に納品してもらうというタイトなスケジュールだったのですが、もたもたしていると次の大会が始まってしまうので、動画を確認しアップするのが精一杯でした。来シーズンは、短期間で数多くの動画を、どうやってSNSに投稿していくかという体制作りも強化していきたいと思います。

課題ばかりになってしまいましたが、良かったと感じたことも多々あります。例えば、私たちはサーカス団のように全国を転戦していったのですが、動画クルーも一緒に行動してくれたので、そのぶんコミュニケーションを蜜に取ることができ、お互い良い動画を撮って、3x3の魅力を伝えたいという気持ちを分かち合えたことは、非常に良かったです。

3x3

ファンや選手の反応はいかがでしたか?

今年、動画を入れて良かったという反響の声はファンの方をはじめとして、各方面からありました。 選手からの反応も良いです。カメラが入っているとかなりオフィシャル感が出ます。選手の半分くらいは本職がサラリーマンという兼業プレーヤーなので、試合が終わってコート上で、MVPの選手にカメラとマイクを向けて、2~3人のスタッフで囲みインタビューをやっていると、選手の満足度も高まるようです。

また、動画をチームのオーナーにシェアしてあげることで、ファン獲得にも活用できるので喜ばれていますね。

事前にKPIは設定されていましたか?

Facebookのシェアや「いいね」の数は意識していましたが、正直、明確なKPIは設定していませんでした。まだ私たちが求めている数字には届いていない部分もありますが、SNSにおける動画の反応は非常に良かったです。

世界ランキング3位の日本。動画を通して3x3の魅力を伝え、是非会場に足を運んでもらいたい

動画に関して、今後はどのようなチャレンジをしていきたいとお考えですか?

今は、トップリーグがオフ期なので、情報を整理しています。シーズン中は動画をアップすることで手一杯だったので、今はユーザーがより動画を見やすくなるよう環境整備を急ピッチで進めています。

今回は、ラウンドごと3~4分のダイジェスト版を作っていましたが、見ている人がSNSで、シェアやリツイートをしやすいようにするには、もっと短い動画を増やしたほうがいいかなと思っています。

また、現状一つの動画に、名プレー、インタビュー、結果の全てを入れているのですが、それぞれを切り取って出したほうが良いかもしれないですね。また、3x3は、前半4、後半4の合計8ラウンドあるので、飽きがこないように、見せ方を工夫していくことも重要だと思います。 それと、やはりより質の高いライブ中継もやってみたいです。いろいろと挑戦したいことは他にもあるのですが、どういうポイントを見せれば、3x3の魅力が伝わるのかということをより精査していくのが大事だと思っています。

スポーツがメジャーになるには、スター選手のメディア露出が重要になっていくと考えられますが、何か施策はありますか?

確かに、大手メディアにも取り上げられるようなスター選手を創出したいとは思っています。PREMIER.EXEには12チームあって、各チーム6人ずつ在籍し、総勢72人の選手がいます。その中には、すでに、コアなファンがついている非常に人気の高い選手もいます。体格のいいイケメンも沢山いますよ(笑)。

海外のトップ選手も多く在籍しており、全体の約3割が海外選手です。国籍も、アメリカ、カナダ、インド、スロベニア、中国、韓国などの選手がいます。女子のPREMIER所属選手はまだいませんが、5人制でも女子は強いので女子カテゴリーの大会も今後増やしていき、有望な女子選手も輩出していきたいと考えています。

現在、3x3の日本男子は世界ランキング3位です。これは、非常にすごいことなんです。また実は、3x3は、2020年の五輪種目を目指していて、2017年夏に種目追加の最終の評価が出ます。5人制バスケがすでにオリンピック競技なので、種目追加という形になり、あまりメディアで報道されていませんが、もし五輪種目になったら、世の中の注目度も変わってくると思います。

3x3
https://www.facebook.com/3x3OFFICIAL/photos/a.451385898276278.1073741826.365654133516122/1197984876949706/?type=3&theater

※10名すべてPREMIER.EXE2016シーズンに出場

5人制のバスケが、ゴール前の半円(3ポイントライン)の中2ポイント対外3ポイントなのに対し、3x3は、1ポイント対2ポイントなので比率が違います。外からのポイントの影響が非常に高いので、外から正確なシュートを打てる選手が多い日本には有利なんです。

また、人数が少ないので、スペースをいかに有効活用するかという戦術と俊敏性が重要になってきます。これも、日本人に合っていると言われています。動きを計算して、的確に外にパスを出して、2ポイントシュート決めるというのが日本人は上手いのでランキングも上位に食い込んでいるのです。オリンピック種目になれば、十分にメダルを狙える実力があります。

オリンピック種目になることが全てではないのですが、種目が追加されてから、一生懸命やりだしても遅いので、今私たちがすべきことは、グラスルーツの大会で底辺を拡大し選手層を厚くしていくことと、トップ層のPREMIER.EXEのマネジメント体制を磨いていくことの2点だと思っています。

また、見るだけでなく、老若男女がプレーできて楽しめる競技なので、私も知れば知るほどに、その魅力にハマっています。ぜひ、生で見てもらいたいと思っていますが、まずは動画をチェックして、その雰囲気を味わってほしいですね。

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