スポーツマーケティング事業の一環としてスポーツの新市場を開拓するクロススポーツマーケティング株式会社は、3人制バスケットボールに注目し、専門のチームを立ち上げる。3x3.EXEというブランドで、リーグやトーナメント、普及イベントを開催。普及のカギを握るデジタル動画マーケティングでViibarを活用。過酷な撮影スケジュール、環境の中、クリエイターと綿密にコミュニケーションをとることで、ブランドイメージに則したクリエイティブを制作。プロモーション素材として多方面に活用。

プロフィール

  • crosssportsクロススポーツマーケティング株式会社 Basketball Marketing team Manager 安田美希子氏1980年生まれ。
    人材会社、LAにあるスポーツマーケティング会社等を経て2013年よりクロススポーツマーケティングへ。リーグ制度設計、プロモーション・ブランド戦略から大会・イベント運営まで、3x3に関する国内外のマーケティング業務を一貫して担当。

可能性に満ちたバスケットボール市場

御社の事業内容について教えてください。

クロススポーツマーケティングは、スポーツ用品の小売業を展開しているゼビオグループの中核会社で、スポーツマーケティング事業を専門に行なっています。

弊社では、大きく2つ事業を行っており、一つはグループ会社のスポーツ小売事業に関する販促・マーケティング支援事業、もう一つがスポーツビジネス領域における新規事業の事業化です。私が属しているのは後者のバスケットボールマーケティングチームという部門で、社内で唯一チーム名称に競技名が入っています。

なぜバスケットボールだけ競技名のついたチームが存在するかというと、バスケットボールは世界的に競技者が非常に多く、なおかつ、競技人口の男女比がほぼ50:50で構成されており、非常に可能性に満ちたマーケットであるからです。

日本でも、小中学校の体育でバスケットボールが取り入れられていており、高校までは部活動が盛んです。登録競技者も60万人を超え、非常にマーケットが大きい。それにも関わらず、ビジネスとして市場は確立されていません。

競技人口は高校までがピークで大学、社会人になると激減します。私も中学・高校でバスケ部だったのですが、大学生になった時点で、まったく触れなくなりました。このように掘り起こし可能な潜在層が数多く存在するため、ビジネスとして開拓していく意義が大きい競技だという意見が、社内でもちあがったのです。

プレーする環境や観戦の機会が増えれば、社会人のバスケットボールを取り巻く環境は大きく変わるはずです。そこで、2012〜13年頃に、弊社の事業として、バスケットボールを一つ大きく取り上げることが決まり、そのタイミングで私のいるチームが立ち上がりました。

安田さんのご担当されている業務内容について教えてください。

私の仕事は、チームのマネージャーとして、リーグ企画、大会の運営、選手の海外派遣、国際大会の誘致など、3人制バスケの普及及び発展に向けたあらゆる策を講じることです。

日本と同様に、世界的にもよりバスケットボール競技者を増やしマーケットを盛り上げていくためには、新しい手を打つ必要がありました。FIBA(国際バスケットボール連盟)が、新規の競技者獲得に本腰を入れはじめ、これまで世界中でプレーされていた、いわいる3on3(スリー・オン・スリー)というストリート競技に、着目しました。 3人制バスケは、全世界でプレーされているものの、ローカルルール満載で、競技としては成立していませんでした。FIBAは、3on3と言われていたものを、3x3(スリー・バイ・スリー)という名称に変更、世界共通の競技ルールを作り競技としてより発展させていくことを決めました。

3x3
http://www.fiba.com/3x3

それが2010年頃です。そうした世界的な動向を受けて、マーケティング会社として新しいスポーツ市場を創るべく、2012年4月からJBA(日本バスケットボール協会)さんとパートナー契約を結び、3x3.EXEというブランドを立ち上げることになり、そのタイミングで入社しました。

安田さんのチームはどれくらいの人数なのですか?

現状は7人のメンバーいます。3x3.EXEには、大きく分けてトップリーグのPREMIER.EXE、高校生以上のアマチュア3x3チーム日本一を決めるTOURNAMENT.EXE、老若男女誰でも参加可能な GAME.EXE、普及イベントとしてのFESTIVAL.EXEという4つのカテゴリーがあります。通常は上記4つのカテゴリーごとに、ゆるやかな担当をつけて運営しています。

ただ、年間200を超える大会を7人で回しているので、一つのカテゴリーに専念するのではなく、それぞれのメンバーが協力して横断的に活動しています。

競合はあるのでしょうか?

3人制バスケの小さなリーグを展開している団体はいくつかありますが、正直競合とは思っていません。まだまだマーケットを作っていかなければいけない段階なので、むしろ、パートナーというか、仲間だと思っています。

日本でリーグを立ち上げ、世界に通じるリーグにしていきたいと真剣に考えていて、私たちが目指しているベンチマークはNBAです。なので、国内の他団体は敵ではなくて仲間であるといった感じで、視座を高くしてやっていこうと考えています。

広報活動に必要な素材として動画を撮影することは急務だった

デジタル施策への取り組みについて方針はありますか?

お伝えできるほどの方針が明確にないのが、実は課題でした。まず安全に競技環境が整備でき、お客さんが楽しんでもらう環境づくりというのが最優先だったので、リーグの広報活動が手薄になっている状態だったのです。ですので、デジタル施策も、オフィシャルのウェブサイトやSNSアカウントで日々情報発信をするという、最低限の部分が中心となっていました。

3x3
http://premier.3x3exe.com/

オフィシャルアカウントは、基本的には、それぞれのカテゴリーの担当者が情報を流しています。ただ、FacebookにPREMIER.EXEの情報を流したすぐ後に、TOURNAMENT.EXEやGAME.EXEの情報が上がると、ユーザーを混乱させてしまうので、全カテゴリーを横断して情報管理する担当者を一人置いています。

デジタル施策に関して、今後どのように力を入れていかれますか?

スポーツ競技の魅力を伝えるのは、実際の試合を見てもらうのが一番早いです。まだ3x3は普及のフェーズですし、認知も十分でないので、いかに効率的かつ合理的に情報を伝えていくのかということは最重要課題であり、デジタルは非常に大事だと思っています。

なぜ、急に全ての試合で動画制作を行うことになったのでしょうか?

PREMIER.EXEの開幕までに、世間に情報を伝えていきたかったのですが、そもそも素材がないということに気づいたからです。

どこかのタイミングで動画を撮影しなければ、実際に試合の魅力を伝えることのできる動画素材は、永遠に存在しません。素材がなければ十分な広報活動はできないという悪循環に陥っていたので、撮るなら今しかないといった状況でした。

社長とも動画の必要性について話し合ったのですが「今期は動画を撮ってみよう」との判断をもらい、そこで、動画制作は投資だと捉え、その場で予算を投下することになりました。

弊社は、新しいチャレンジを推奨してくれる会社なので、とりあえず1回やってみようという感じでした。もちろん、新しい施策に関して正しく評価し、それをどう活かすのかという分析は求められますが、行動に移さないと何も生まれないですからね。

3x3

複数のクリエイターから人選可能なのがViibarを選んだ理由

Viibarが決め手になった理由は何ですか?

クラウドソーシングなので、クリエイターさんが沢山いるというのが見えて、いろんな可能性があるということがわかったからですね。

個人的な見解ですが、私は、クリエイティブのクオリティを決めるのは、最終的には依頼する側の判断だと思っています。ただ、こちら次第であるとはいえ、クリエイターさんとの信頼関係が大切であることも理解しています。

Viibarさんには、最初に複数のクリエイターさんの案を何パターンか見せてもらいました。その段階で数多くのクリエイターさんとの繋がりがあり、信頼関係を構築しているということが伝わってきたのが、Viibarさんに決めた一番の理由でしたね。

今までうまくいかなかった動画もあったとのことですが、差し支えなければ、具体的にどんなことか教えていただけますか?

出来上がってきた動画が、弊社が表現したい世界観ではなく、クリエイターさんが表現したいものになっているという状況はありました。

3人制バスケというと、ストリート系のイメージが根強いと思うのですが、黒ベースのカラーで、BGMもヒップホップ調の楽曲を使った作品が上がってきたことがありました。その件に関しては、クリエイターさんが客観的に見た3x3のイメージというのがわかったという意味で、ポジティブには捉えているのですが、私たちが伝えたい青空の下でやるオープンな雰囲気とは、全くイメージが異なっていたのです。

今までの3人制バスケのイメージと意図的に異なるようにブランディングしていきたいということなのでしょうか?

そうです。青空とビルとバスケコートのイメージですね。何もないところに、試合会場が設営されて、そこに人々が集まってくるというところを伝えたいのです。日常の風景に、突然バスケコートが出現するという意外性を伝えていきたい。

そうした意図をクリエイターさんも汲み取ってくださって、設営のときから定点カメラで、全行程を撮影したいですねと話していたのですが、今回は優先順位的に無理だったので、次のシーズンでは、そうした動画も撮影できればと思っています。

後編に続く

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