1.Twitter広告の種類

Twitterは日本国内ではFacebookよりユーザー数が多く、月間アクティブユーザー数は約3500万人(2015年12月末時点)であり、ユーザー数増加率も日本が世界トップである。Facebookが約2,500万人(2015年12月末時点)、近年急速に若年層に浸透しているInstagramが810万人(2015年6月末時点)の月間アクティブユーザーであるのを考えると、Twitterが宣伝効果の高い魅力的なSNSの一つであることは間違いなく、数多くの企業がTwitter広告を導入している。現在、Twitterの広告プロモーションは「プロモアカウント」「プロモトレンド」「プロモツイート」という基本の3タイプに加え、新商品の「ファーストビュー」を含めて4種類の商品が提供されている。

(1)プロモアカウント

プロモアカウント(Promo Accounts/Promoted Accounts)とは、広告主の所有する自社アカウントのフォロワー数を増やしたい時に使う広告である。

表示される場所

PCではブラウザ画面の右側にある「おすすめユーザー」枠とアカウントの検索画面、スマートフォンでは通常のタイムライン内に配信されるプロモーション記事に表示される。

特徴

表示されたボタンをワンクリックしてもらうだけでフォロワーを獲得できる。ターゲティングをカスタマイズすることも可能である。

ターゲティング

広告主の持つ自社アカウントと類似したアカウントをフォローしているユーザーを選んで広告を配信することができる「興味関心・フォロワー」「興味関心」「地域・言語・性別」、「携帯電話キャリア」はもちろんのこと、特定のアカウントのフォロワーや、その類似ユーザー、過去4ヵ月まで遡って、新しいデバイスからTwitterにはじめてアクセスしたユーザーを指定することが可能な「新端末」などの特徴的なターゲティングが可能。

課金方法と費用の目安

広告料金の課金方法は、フォロワーを1名獲得するごとに課金されるCPF(Cost Per Follower:コストパーフォロワー)を採用している。料金設定はオークション制で、最低1円から入札可能である。

プロモアカウント フォローボタン2016-03-28 17.50-1.33

(2)プロモトレンド

プロモトレンド(Promo Trends/Promoted Trends)とは、Twitterのトレンド枠に任意のキーワードやハッシュタグを表示できる広告のことである。

表示される場所

Twitterには、キーワードや、ハッシュタグが表示されているトレンド枠というものがある。PCではブラウザ画面左側、スマートフォンではタイムラインの一番上にトレンド枠が表示されるが、プロモトレンドのキーワードやハッシュタグはトレンド枠の最上段に表示されようになっている。プロモトレンドがクリックされると、キーワードやハッシュタグの検索結果ページと、広告主のツイートが表示される。また、キーワードには広告だとわかるようにプロモーションマークがついている。

特徴

キーワードが全てのTwitterユーザーに対して表示されるため、幅広いユーザー層を対象に大規模にキャンペーンを展開していきたい場合に非常に有効である。また、トレンド枠にキーワードが一日中表示されるため、キャンペーンに対する認知度を高める効果も期待できる。さらに、キャンペーンの影響力を数値化したり、独自の分析レポート用ダッシュボードを利用したりすることも可能である。

ターゲティング

国単位でターゲットを絞り込むことが可能。グローバルな市場に向けてキャンペーンを行いたい場合は世界中のユーザーを対象にすることもできる。

課金方法と費用の目安

広告料金は、日本時間の0時~24時の間、キーワードやハッシュタグを表示させ続けた場合、数百万円台の費用。プロモトレンドを表示できるのは、日本国内で1日1社限定。

プロモトレンド

(3)プロモツイート

プロモツイート(Promo Tweets/Promoted Tweets)とは、広告主の所有する自社アカウントのイベントやキャンペーンなどに関連したツイートを、現在のフォロワーを含む任意のターゲットに対して表示させる広告である。プロモツイートには検索結果をもとに表示される「プロモツイート in サーチ」とタイムラインに表示される「プロモツイート in タイムライン」の2種類がある。

表示される場所

プロモツイート in サーチ:検索結果のページ上部に、広告として掲載される。
プロモツイート in タイムライン:ユーザータイムラインに、広告として掲載される。

特徴

ターゲティングの種類は、プロモアカウントよりも多いので、ターゲティングしたユーザー層が関心を抱くツイートを、確実に届けたい場合に有効な広告である。また、キャンペーンの目的によって、様々な課金プランを選択することが可能である。

ターゲティング

「興味関心やフォロワー」「地域・言語・性別」「キーワード」「携帯電話キャリア会社」「新端末」に加えて、特定のテレビ番・テレビ局・番組ジャンルにエンゲージしているユーザーをターゲットにできる「テレビ」や、Windows・Macintosh・iOS・AndroidなどのOS別や、スマートフォン、タブレット、フィーチャーフォンなどのハードウェア別にターゲティングすることが可能な「デバイス」などをターゲティングできる。また、ターゲットに指定したユーザーのみに配信することができる限定配信ツイート機能もある。

プロモツイート

課金方法と費用の目安

プロモツイートの課金方法を説明する前に、Twitterカード機能について簡単に解説する。

Twitter広告で使えるTwitterカード機能とは

Twitterカードとは、テキストに加えて画像や動画、アプリインストールボタンなどを表示できるようにする機能である。Twitterのタイムライン上には、数多くの情報が絶えず流れ続けているので、テキストのみのツイートでは、なかなかユーザーの目に留まらない。Twitterカード機能を利用して、広告の見せ方を工夫すればエンゲージメント率アップを期待できる。Twitterカード機能には、以下の種類がある。

サマリーカード(Summary Card)

タイトル、概要、サムネイル化された画像、アカウント情報が表示されるデフォルトのカード。カードの種類を特に指定をしない場合はこのカードでツイートされる。

ラージサマリーカード(Large Image Summary Card)

サマリーカードよりもサムネイル画像を大きく表示することが可能である。基本的な形式はサマリーカードと一緒である。

フォトカード(Photo Card)

写真を見せたい時に使うカードである。通常のツイートで、写真を投稿した時と同じように、画像が大きく表示される。

ギャラリーカード(Gallery Card)

ギャラリーのように写真を表示する事ができる。画像はサマリーカードと同様にサムネイル化されたものが4枚表示される。

アプリカード(App Card)

アプリのインストール向けのカードである。基本のカードであるベーシックアプリカード、画像が追加されたイメージアプリカード、動画が追加されたビデオアプリカードの3種類がある。これらのカードはモバイルアプリプロモーション(MAP)広告なので、PC版では表示されない。

プレイヤーカード(Player Card)

動画やオーディオ、スライドショーなどを視聴できるカードである。

プロダクトカード(Product Card)

画像の他に製品の詳細情報や価格を表示することできる。小売店のEコマースなどに最適化されたカードである。

リードジェネレーションカード(Lead Generation Card)

商品の予約受付やクーポンなどに関する情報と、プッシュ通知を有効にするボタンが表示することで、見込み客(リード)を獲得することが可能なカードである。別サイトに移動したり、フォームに情報を入力したりするといった作業なしに、数回のクリックのみでユーザーのTwitterアカウント名・ユーザー名、メールアドレスといった個人情報を取得することができる。

ウェブサイトカード(Website Card)

ツイート中で広告主のウェブサイトのコンテンツを表示し、ユーザーをサイト内の任意のページに誘導できる。画像、ボタン、リンクで構成されており、カードのどこをクリックしてもウェブサイトへ移動するようになっている。

アカウントの開設する際に、キャンペーンの目的を選択する画面が表示されるが(アカウント開設後は、ダッシュボードのメニューからキャンペーンの目的を変更可能)、広告主は選択するキャンペーンによって、最適なキャンペーン商品を選ぶことになる。プロモツイートの課金方法は、どのキャンペーンを選択するかによって異なり、料金設定はオークション制で、最低1円から入札可能である。
キャンペーンは目的別に「ツイートのエンゲージメント」「ウェブサイトへの誘導数またはコンバージョン」「アプリのインストールまたは起動回数」「動画の再生数」「フォロワー」「見込み顧客」「上記の目的のいずれも当てはまらない場合」から選択できる。「フォロワー」獲得が目的の場合は、プロモアカウントの利用が最適になるのは前述のとおりだが、ここではプロモツイートに関連するそれ以外のキャンペーンの目的と課金方法について説明する。これらのキャンペーンは、すべてセルフサービス型でも出稿が可能である。

キャンペーンの目的

ツイートのエンゲージメント

ツイートに対しての反応(エンゲージメント)を獲得するために最適化されたキャンペーンである。課金方法は、ユーザーがプロモツイートに対してエンゲージメントを獲得した際に課金が行われるCPE(Cost Per Engagement:コストパーエンゲージメント)を採用している。課金の対象となるエンゲージメントには「リツイート」「お気に入りに登録」「返信」「フォローする」「ツイートの詳細を見る」「アカウントのプロフィールを見る」「ツイート内のURLやアカウント名、ハッシュタグをクリック」「写真・音楽・動画などを開く」などがある。インプレッション(広告の表示)については、課金されない。
カードの種類:サマリーカード/ラージサマリーカード

ウェブサイトへの誘導数またはコンバージョン

ウェブサイトへのトラフィックを増やし、コンバージョンを獲得できるように最適化されたキャンペーンである。課金方法は、ユーザーのサイト訪問につながったクリック数に対して課金が行われるCPC(Cost Per Click:コストパークリック)を採用している。それ以外のアクションとエンゲージメント(広告の表示、返信、リツイートなどの操作)については、課金されない。
カードの種類:ウェブサイトカード

アプリのインストールまたは起動回数

アプリのインストールや、アプリの起動などを促すために最適化されたキャンペーンである。課金方法はアプリをインストールした時点で課金されるCPI(Cost Per Install:コスト・パー・インストール)と、Appダウンロード画面へのリンクをクリックした時点で課金されるCPAC(Cost Per App Click:コスト・パー・アプリ・クリック)の2つから選択することが可能である。それ以外のアクションとエンゲージメントについては、課金されない。
カードの種類:ベーシックアプリカード/イメージアプリカード/ビデオアプリカード

動画の再生数

動画の再生数を獲得するために最適化されたキャンペーンである。課金方法は、キャンペーンで得られた動画の再生数に対してのみ課金が行われるCPV(Cost Per Viewコストパービュー)を採用している。動画が再生されたと見なされるのは、端末の画面内に動画が完全に表示され、かつ3秒以上再生された場合、もしくはユーザーがフルスクリーン表示で動画を視聴した場合である。それ以外のアクションとエンゲージメントについては、課金されない。
カードの種類:プレイヤーカード

見込み顧客

ユーザーの個人情報などを入手することで見込み客を獲得ために最適化されたキャンペーンである。課金方法は、獲得したリード数に対して課金が行われるCPL(Cost Per Lead:コストパーリード)を採用している。それ以外のアクションとエンゲージメントについては、課金されない。
カードの種類:リードジェネレーションカード

Twitter アンプリファイ

Twitter アンプリファイ(Twitter Amplify)とは、提携したパートナー企業の保有する動画コンテンツ内に動画広告を差し込むことができるプロモツイートの一種。動画広告がコンテンツの再生前に流されるプレロールと、コンテンツの途中で流されるミッドロールからインストリーム形式を選べる。価格は期間消化型で100万円~。平均的な価格帯の目安は2週間で300~500万円程度程度であると言われる(CNET Japan調べ)。

(4)ファーストビュー

ファーストビュー(First View)とは、ユーザーが1日の最初にTwitterにログインした際に、タイムラインのトップに表示される動画広告である。2016年4月から提供が開始された新商品である。

表示される場所

タイムラインにある最新ツイートの下部にあるファーストビュー枠に表示される。

特徴

ユーザーがその日Twitterにアクセスした際に、最初に目にする自動再生の動画なので、より印象深く適切なメッセージを伝えることができる。

課金方法と費用の目安

広告料金について公表されていないが、プロモトレンドと同様に1日1社限定となっており、Twitter社が「大規模なユーザーに対し高い視認性の中でブランドストーリーを訴求できるもっとも価値ある広告メニュー」であり、プロモトレンドの更に上のプランといえる。

2.成功事例から考えるTwitterプロモーションを成功させるためのポイント

(1)日本国内での成功事例

セブンイレブン・ジャパン

セブンイレブン ジャパンは「機動戦士ガンダム35周年」記念して「ガンダムキャンペーン」を2015年11月1日からスタート。「#ガンダム35周年」というハッシュタグを用いることによって「セブン-イレブンにどうしても行きたい」とアムロが訴えるTVCMキャンペーンや、店頭でのくじ引きチャレンジの店頭イベントと、Twitterキャンペーンを連動させた。Twitter広告は、機動戦士ガンダムのWeb限定動画を配信することでキャンペーンを告知し来店を促すプロモツイートと、キャンペーン初日に「#ガンダム35周年」というハッシュタグによるプロモトレンドを実施した。さらにセブンイレブンのアカウントをフォローし、キャンペーンのツイートをリツイートした人の中から10名様にクオカード1万円分が当たるキャンペーンも同時に実施した。こうしたプロモーションによりガンダムファンの心を掴み、動画再生数約15万回、ツイート数28,000以上を超え、来店意向もキャンペーン前よりも2倍以上に高めることに成功した。

(2)海外での成功事例

adidas

adidasは、新商品のadidas Crazyquickシューズのプロモーションのため高校生アスリートをターゲットにしたTwitterキャンペーンを展開した。これはTVCMの関連性の高い続編ストーリーが、Twitterキャンペーンの動画で描かれたので、ユーザーの関心を引き付けエンゲージメントが635,000回に達した事例である。さらに、「#QuickAintFair」というハッシュタグを用いて、ターゲットユーザーに、リアルタイムで関連性の高い会話を促し、キャンペーンによって商品の認知度が大いに高まった。同時に、コマーシャルに出演したNBA選手スター選手をインフルエンサー(インターネット上で影響力のある人のこと)として活用し「第三者ツイート配信」することで、選手たちのツイートによってもプロモーションを行ってリーチを拡大させた。

〜知っておきたいリアルタイムマーケティングの効果〜

オレオ

2013年に開催された第47回スーパーボウルの第3クォーター中に34分の停電が発生した。オレオのSNS宣伝チームは、その状況を逆手にとって「YOU CAN STILL DUNK IN THE DARK.(真っ暗な中でもオレオをミルクに浸すことはできる)」というキャプション付けたスポットライトを当てられたオレオの画像と、「Power out ? No problem.」というツイートを配信したところ、瞬く間に話題になり全米に拡散された。これは、リアルタイムマーケティングの先駆的な事例として、度々メディアで紹介されている。この機転を効かして大成功したオレオのSNS宣伝チームはTwitterの動画プロモーションに関しても積極的に行っている。

これらの成功事例を分析して見えてくるTwitter広告成功の秘訣は「ハッシュタグの活用」「適切なターゲッティング機能の活用」「インフルエンサーの起用」「TVをはじめとした他メディアとの連動」「リアルタイムマーケティング」といったポイントである。これらを的確に駆使しながら、最適なプロモーションを選択していくことがTwitter広告成功の秘訣であると考えられる。また、ファーストビューが商品ラインアップに加えられたことからも分かる通り、動画を使ったプロモーションは、Twitterの特長との親和性も高く、多くの企業が着目している広告なので、今後も様々な方面で活用されていくことが予想される。

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